新見正則のホームページ 百花繚乱
新見正則のブログ
冷え症外来
漢方外来
冷え症外来
下肢静脈瘤のはなし
スポーツドクター
漢方嫌いであった医師による漢方の魅力を語るサイト
動画メッセージ
いきいき安心ささえあいネットワーク
セカンドオピニオン
 

投稿文・エッセイ

 

留学後の抱負

慶応義塾大学外科同窓会 刀林会新聞 1999年版

インデックスに戻る

 

帝京大学第一外科 新見正則(64回生)   留学報告と今後の抱負

 

昨年10月3日に、5年間の英国オックスフォードでの留学を終え帝京大学第一外科に戻って参りました。
全く基礎的知識がない状態から移植免疫学をはじめ、やっと免疫学という土俵に上がれたと実感しています。
北島政樹先生をはじめ、小平進先生、高見博先生、帝京大学沖永荘一総長などのお力により、胸をときめかせてイギリスに向かったのは5年以上前になります。
しかし現実は厳しく、全く英語が理解出来ない1年目、その上、無から始めた免疫学を英語で勉強しなければならない辛さ。無我夢中の2年目。少し落ち着きを取り戻した3年目。結構楽しくなった4年目。早く日本に帰りたい5年目。本当に夢・幻のように過ぎた5年間でした。帝京大学よりオックスフォードでの学費は援助されていました。
しかし、その条件は必ずオックスフォードでの博士課程(Doctor of Philosophy)を取得することでした。何とかなると軽い気持ちで留学を決めましたが、大学院在学者の半数以下しか取れない博士課程の厳しさを知らず、また全く知識を持たない免疫学で博士課程を目指すことは今から思えば無謀としか言いようがありません。
しかし、幸いにもいつも励ましてくれた Sir Peter J Morris 教授、厳しくも優しい指導責任者である Kathryn J Wood 教授、また研究室の同僚らに励まされ何とか終えることが出来ました。
今から省みれば、無謀が好結果を生んだといえましょう。
今後も免疫学を中心に勉強を続けたいと思っています。とくに現在は”特異的免疫応答の誘導”を自分の目標としています。何が疑問で、何が問題か。この思考を継続することがオックスフォードで身についたものです。当然と思って進めていることに、根拠があるのか。その根拠は何か。このように考えていると日々の臨床も非常に楽しく、また研究生活も忙しいながらも続けていけそうです。

 

幸い帝京大学では、実験のための十分なスペースと快適な動物舎に恵まれ、また病院に眠っていた多くの機器を集め、研究室を掃除し、古いながらも何とか最新の実験が出来る研究室を作ることができました。
そして、夢と希望をもって誰でも(出身・経歴を問わず)斬新な研究ができるよう、研究室の俗称は”ドラえもんラボ”としました。興味のある方は是非遊びに来て下さい。そして、実験や討論を一緒にやりましょう。

 

どうぞ今後とも皆様のご指導を宜しくお願い申し上げます。

追記 研修医となってから遠ざかっていた、合気道を再び始めました。近くの体育館と合気会本部道場で時々汗を流しています。

 

    page top
このサイトについてサイトマップ   Copyright (C)2007 Masanori Niimi All rights reserved.