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投稿文・エッセイ

 

サービス業としての医療

日経メディカル2001年3月号掲載

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医者となってから、5箇所の大きな病院に就職し、現在大学病院に勤務している。また、手術や口演に呼ばれると、可能な限り2時間ぐらい早く訪れ、病院ウオッチングすることを趣味としている。外来の配置・明るさ・わかりやすさ、電光掲示板の有無、マイクの性能、トイレの設備、エレベーター数と大きさ、全館禁煙か、隔離された喫煙室があるか、授乳室の有無は、レストラン・売店の設備は、電話ボックスがあるか、などなど結構楽しいものである。

 

また、医療従事者の服装・足元を観察すると、病院により様々である。病院長から研修医までネクタイに白衣またはケーシー型の白衣で足元は靴の病院から、指導的立場の医者のみが比較的服装・足元に気を付けている病院、また院長・副院長からしてサンダルで、多くの医者がだらしない格好をしている病院まで様々である。地域性・病院の性質などによるであろうから、どれも正しい可能性がある。その答えを出すのは簡単で、患者さんに訪ねればよい。

 

医療はサービス業としての側面を持っていることを、われわれ医療従事者は忘れてはならない。患者さん・紹介してくれる開業医は、病院を選べるのである。不満であれば、患者さんは2度とその病院を訪れないし、開業医は紹介を渋るようになるであろう。
特に大病院が密集している地域では、サービス精神に気を配らない病院は自然淘汰されるであろう。

しかし、医療の本質は治療内容であることを忘れてはならない。だが、その治療内容は、レストランでの食事内容を評価するようには簡単ではない。医療は治療とサービスの両方により評価されるはずであるが、患者さんが評価できるものはむしろサービス的なものが主体である。

 

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